人気の高い職業と資格の関係

具体的な将来からさかのぼって考えてみよう

 社会にはたくさんの職業があります。現時点で、“具体的な将来像”を「これだ」と決めてしまえる人はそんなにたくさんいないでしょうし、まだまだ悩んだり、調べたり、経験したりしたい気持ちもあることと思います。ここでは、将来の職業と密接な関係を持つ「資格」を取り上げてみますので、自分自身の興味・関心事と照らし合わせて考えていきましょう。
 「自分は何ができるのか」をはっきりと証明してくれる「資格」。その資格を持っていないと、法律上、就くことが許されていない職業もあります。また、社会的評価の高い資格ほど取得が非常に難しく、早い段階での準備が重要になってきます。今、この時点での学問選びが、あなたの未来図を決める大切なカギとなるかもしれません。

人気の高い職業と資格の関係

高校生の男女に共通して人気の職業といえば「教師、医者、公務員」。また、男子には「エンジニア」や「プログラマー」、女子には「保育士・幼稚園教諭」「理学療法士・作業療法士」「看護師」「薬剤師」などが人気のようです。総じて資格があればどこでも通用する「資格=就職(仕事)」といういわば『職業直結型』の資格の人気が高いようです。
 職業直結型の資格というのは基本的に専門知識・スキルが必要不可欠で、これらを身につけていないと資格を取得することができません。そのためこれらの資格を取得した新卒者は、即戦力に近い形で仕事をはじめることができます。
 少しずつ景気が上向きになってきたとはいえ、まだまだ先行きが不透明な現代において、この『即戦力』というのは最大の“強み”となります。就職の際に、さらには転職や再就職の際にも有利にはたらく可能性は非常に高いといえるでしょう。

就職に直結する資格を取得できる大・短・専が人気

 資格を取得するためには、一般的にさらに上級の学校に進学します。
 大学・短大進学者の志望動向では、「学びたいカリキュラムがあるから」、「取得できる資格があるから」という理由が多く、大学・短大ではこのようなニーズに応えて、就職に有利な資格試験の受験講座を開講し、筆記試験や面接試験の指導を行うところが増えています。さらに「新卒者よりも即戦力となれる経験者がほしい」という企業の本音もあることから、資格取得のほかに実務能力の育成やキャリア教育など、新卒でも即戦力になり得る人材の育成に力を入れる大学・短大が多くなっています。
 専門学校では、近年、看護師不足が社会問題化し、需要増となっている看護・医療分野の人気が高く、専門学校進学者の3人に1人が医療系専門学校へ進学しています。そのほか一時期よりは減少傾向にあるもののデザイン・語学・法律などの分野の人気も根強く、また「手に職」の調理・美容分野や、技術者養成の工業分野の人気も高く推移しています。